2017年10月6日 仕事
石鹸成型容器の試作
代表の山本です。
先日お客様より、石鹸成型容器の試作ができますか?とのご相談を頂きましたので試作を致しました。
現在、このような容器に溶けた石鹸を流し込んで、固めて石鹸を作っているそうです。
新しい機械を入れるに当たり容器も変更になるようで、試作が問題なく価格が折り合えば100台近い数が必要になるようです。
固めた石鹸は後でプレスし、私たちがよく目にする石鹸になるのでしょうか。そのプレス前の成型用の容器だと思いますが、なかなかきれいな品物とは言いにくい気がします。
溶接は点付けし、漏れない様にコーキングが塗ってありますね。溶けた温かい石鹸を冷やして固める訳ですから温度の上下が激しく、温度変化による歪み防止で角パイプを貼りつけているみたいですが、角パイプはロウ付けしてありました。
当社はロウ付けはできませんので歪み防止の補強は少し違うアイデアが必要になりそうです。サイズもサンプルの倍の深さがほしいとのことで、補強の数も多く必要になりますのでできるだけ簡単なものがよいですね。
また、用途的にもさすがにコーキング処理したものを製品として出すわけにはいきませんのですべて溶接で行きたいですが、量産を考えると溶接歪みが中央に出にくい形で溶接長さも極力少なくしたいですね。
通常ワンオフの製品はコスト的に難しくなりがちで、お客様より図面を頂くか、サンプルがあればそれを採寸しながらそのまま製作するか、または大体のヒアリングをして詳細をおまかせ頂き社内でのみわかるレベルの簡単な手書きの製作図で製作していきますが、今回は決まれば数も多く現物が手元にあるのであらあらの部分を採寸し、当社のモデファイを加えた製作図をCADで作成してから作ることにします。
こんな感じでしょうか。補強部分はハット型の金具をスポット止めにして本体に歪みが出ないようにし、容器本体は中央部分で溶接する事にして本体の広い方の面に溶接歪みが出ず、極力溶接の長さが少なくなるようにしました。
出来上がりがこちら。
サンプルの倍の深さになったこともあり、かなり重たいので取っ手を付けるなどの工夫が要りそうですが、クオリティは上がったと思います。
今回は溶接の焼けとりにドブづけ酸洗を行いましたが、補強部分に酸が入り込んでしまいますので、仕上げももう一工夫したいですね。
石鹸の成型に影響のある部分ではないので、とりあえずこれでお客様と議論していきます。
量産が決まれば治具を製作して作業効率を高める事もできますので、今から色々な想像が膨らみます。