2018年1月17日 仕事
狭くて高くて重いダクト工事
代表の山本です。
今回は年末より出張工事で取り付けを行っているダクト工事についてのお話です。
一般的な亜鉛鉄板の空調ダクトでは、板厚が0.6ミリ前後でハゼ折りでの接合を行い、ダクト本体と同じ板で簡易的なフランジ形状を作り接続していく共板工法と呼ばれるダクトが主流であり、これは高圧や高温には耐えることができませんがダクトが軽く、施工性が良いため、広く普及しています。
そして、空調ダクト工事はほとんどの場合、天井裏に取り付けられますので取り付け位置は高い場所がほとんどですが、その建物が建築される時あるいは改装される時に設置されるため、下の部分が広いので足場を組んだり電動の高所作業車で吊り込み作業が行われます。
しかし、当社で行っているダクト工事は、一般的な亜鉛鉄板の空調ダクトと違い、主に産業機械向けの付帯設備としてのダクトになり、高圧、高温などその機械に応じて様々な仕様が求められますので、板厚も1.2ミリ以上での溶接ダクトになり3ミリや5ミリのアングルで製作したフランジでの接続になるため非常に重く、取り付け場所も建築工事が終わったあと、その機械が据え付けられたあとのエリアでの作業となり、狭い、高い、仮置き場が少ない、搬入経路が狭いなど、様々な問題が複合してきます。
また、広く足場を設置するほど空調ダクトの様に近い場所に多くのダクトを張り巡らせるというようなことも無いため、予算的にも厳しくなります。
今回はそのすべての問題があてはまる難易度の高い物件になりましたので、色々な検討の上パーソナルリフトと電動ホイストを使用することにしました。
パーソナルリフトはこれで9mまで作業床が上がるので、屋根下の鉄骨に吊金具を準備し、電動ホイストを仕込み、ある程度ダクトを床で組みつけたあとに、電動ホイストで吊り上げ、吊金具で受けるようにサポートしていくという要領で作業を行っています。
床で組みつけたあとにユニットで吊り上げられるのは、一般的な空調ダクトと違い、板厚が厚くしっかりしているダクトの強みでもあります。しかし、一回で吊り上げるダクトの重量が保温材を含めると大きいのでは1トン強になるので、もうダクト工事と言うより重量工事に近いですね。もちろん、吊金具の選定にも慎重になります。
パーソナルリフトですが昇降は電動ですが移動は手動で、移動の度にアウトリガーの出し入れが必要になるのでかなり面倒ですが、下のスペースが狭くて電動の高所作業車は入れません。そして、上は結構揺れます。なかなか怖いです。
最後まで安全に作業を行いたいと思います。