株式会社山本製作所

技術ブログ

2017年9月8日 仕事

煙突ってどうして必要なの?

代表の山本です。

初回のブログということで、今回は弊社の主力商品である煙突について簡単に説明してみたいと思います。

 

弊社では給湯機やボイラー、暖炉などに向けたステンレス製の煙突を主に製作していますが、何かを燃やすことによって熱や動力を得る為の燃焼機器、燃焼装置には必ずと言ってよいほど、煙突がついています。

一般的に煙突というと、船や蒸気機関車、工場の赤白にペイントされた煙突、銭湯の煙突などを想像される方が多いかもしれません。給湯器についている先端がH型の煙突を想像してくれる方がいれば弊社の守備範囲になりますのでうれしく思います。

 

煙突の歴史は古く、この世にできたのが14世紀頃といわれていますが、その目的は周囲の環境保全とドラフト効果です。

 

周囲の環境保全は、煙突の高さを高くすればするほど排ガス中に含まれる汚染物質が地表に落ちてくるまでに大気中で薄めることができるということです。ただし、注意が必要なのは出ている汚染物質の総量は変わらないです。砂糖(汚染物質)と水(空気)を想像してみてください。水(空気)をたくさん混ぜた状態で、私たちの生活する地表に落ちてくるということです。

 

そして、煙突の目的として一番大きいのがドラフト効果になります。燃焼により熱せられた空気、排気ガスは密度が薄くなり、熱膨張によって広がろうとします。そして比重の差によって上方に上がろうとする力が生まれます。これを煙突によって閉じ込め、上だけを開放してやれば、排気ガスの排出速度を上げることができるというのがドラフト効果になります。煙突は長くすればするほど排ガスが加速し排出速度は上がります。

排ガスの排出速度が上がる分、燃焼室側の気圧が薄くなる事で、燃焼の為の空気(酸素)を多く取り込む事ができるようになり、燃焼効率を高めることができます。燃焼効率を高めることは、不完全燃焼が抑制され環境汚染物質の低減と省エネにつながります。

昨今の小型給湯器では、強制的にファンを回して排気するタイプが多く、マンションや戸建てなども上に伸びる煙突のない給湯器が増えていますが、燃焼機器が大きくなったり、排気温度が高い場合ファンを設置することが困難になり、今なお煙突が必要不可欠な存在になっています。

また、強制排気型においても屋内に本体を設置する場合、排気ガスを屋外まで導くための筒は必要になり、これらも当社で製作しています。

よく、お客様より煙突と排気筒はなにが違うの?という質問を受けますが、諸説あるようですが弊社ではドラフト効果を煙突に期待するものを煙突、強制排気により屋外まで排ガスを導くためのものを排気筒と区別しています。トップの部分など使用する部材が若干違いますが煙道の部分に使用するモノは同じです。